2025.01.10 初心者必見!めっきの種類と特徴を徹底解説!
めっきは金属製品の表面に別の金属を薄く被覆する技術で、耐食性や装飾性を高めるために広く利用されています。
しかし、めっきの種類は多岐にわたり、初心者には選び方がわかりにくいもの。
この記事では、代表的なめっきの種類と特徴を解説し、用途に応じた最適なめっき選びのポイントを紹介します。
めっきとは?基礎知識をわかりやすく説明
めっきとは、金属製品の表面に別の金属を薄く被覆する表面処理技術の一種です。
基材となる金属の上に、めっき液中の金属イオンを電気や化学反応により析出させ、緻密な金属膜を形成します。
めっきの主な目的は以下の3つです。
耐食性の向上:腐食しやすい基材を、耐食性の高い金属で覆うことで、錆びや腐食を防ぐ
装飾性の向上:基材とは異なる色や光沢を持つ金属を被覆することで、製品の美観を高める
機能性の付与:導電性や硬度など、基材にはない特性を持つ金属を被覆することで、製品の機能を高める
めっきの工程は、一般に前処理、めっき、後処理の3つに分けられます。
前処理では基材表面の汚れを取り除き、めっき液との密着性を高めます。
めっきでは目的の金属を電気めっきや無電解めっきにより析出させます。
後処理では水洗いや乾燥などを行い、仕上げの品質を整えます。
代表的なめっきの種類
めっきに用いられる金属は多岐にわたりますが、代表的なものをいくつか紹介しましょう。
ニッケルめっき:耐久性とコストのバランス
ニッケルめっきは、硬度と耐食性に優れ、比較的安価なことから、最も広く利用されるめっきの一つです。
自動車部品や工業用機械、日用品など、幅広い製品に用いられます。
ニッケルめっきの特徴は以下の通りです。
・硬度が高く、耐摩耗性に優れる
・耐食性が高く、屋外での使用にも適する
・クロムめっきの下地としても利用される
・光沢や半光沢など、仕上がりの調整が可能
銅めっき:高い導電性が魅力
銅めっきは、銅の持つ高い導電性を活かし、電気製品や電子部品などに用いられます。
また、ニッケルめっきや金めっきの下地としても利用されます。
銅めっきの特徴は以下の通りです。
・電気伝導性が非常に高い
・密着性が高く、下地めっきに適している
・硫酸銅めっきと青化銅めっきの2種類がある
・硫酸銅めっきは高い導電性、青化銅めっきは光沢に優れる
金・銀めっき:高級感と耐食性を両立
金めっきと銀めっきは、美しい色合いと高い耐食性から、装飾品や高級品によく用いられます。
特に金めっきは希少価値が高く、高級感を演出する用途に適しています。
金・銀めっきの特徴は以下の通りです。
・赤みを帯びた黄金色(金)と白銀色(銀)の美しい発色
・耐食性、耐薬品性に非常に優れる
・柔らかく密着性が低いため、下地めっきが必要
・貴金属のため、コストが高い
めっき工程の基本と注意点
良質なめっき製品を得るには、各工程を適切に管理することが重要です。
特に留意すべき点は以下の通りです。
前処理:基材表面の汚れや酸化膜を完全に除去し、めっき液との密着性を高めます。脱脂や酸洗いなどを丁寧に行うことが肝要です。
めっき:めっき液の組成や温度、pH、電流密度などを最適に保ち、均一で緻密なめっき膜を形成します。不純物の混入や析出不良に注意します。
後処理:十分な水洗いにより、めっき表面に残留した薬品を取り除きます。乾燥時の汚れ付着や変色にも気を配ります。
各工程の条件は、めっきの種類や製品の形状によって異なります。
作業者の経験と勘も重要ですが、科学的な管理体制を整えることが、安定した品質の実現につながります。
用途別に見るめっき選びのポイント
製品の用途や要求性能に応じて、最適なめっきを選ぶことが重要です。
主なポイントは以下の通りです。
耐久性重視:ニッケルめっきやクロムめっきなど、硬度と耐食性に優れためっきを選びます。厚めのめっきを施すことで、長期の使用に耐えられます。
装飾性重視:金めっきや銀めっき、彩色クロムめっきなど、美しい発色と光沢を持つめっきを選びます。下地めっきとの組み合わせで、より豪華な外観を実現できます。
機能性重視:銅めっきやスズめっきなど、導電性や半田付け性に優れためっきを選びます。製品の仕様に合わせて、めっきの種類や厚さを最適化します。
コスト重視:ニッケルめっきや亜鉛めっきなど、比較的安価で汎用性の高いめっきを選びます。必要な性能を満たす範囲で、めっきの種類や厚さを調整することが肝要です。
用途によっては、複数のめっきを組み合わせることで、より高い性能を実現できます。
例えば、ニッケル-クロムめっきは装飾性と耐久性を兼ね備え、銅-ニッケル-クロムめっきは下地の密着性も高めています。
製品の特性を見極め、最適な組み合わせを選ぶことが重要です。
まとめ
めっきは、金属製品の性能と価値を高める重要な表面処理技術です。
耐食性、装飾性、機能性など、めっきの目的に応じて、ニッケルめっき、銅めっき、金・銀めっきなど、様々な種類のめっきが利用されています。
良質なめっき製品を得るには、前処理、めっき、後処理の各工程を適切に管理することが肝要です。
また、製品の用途や要求性能に合わせて、最適なめっきの種類や組み合わせを選ぶことが重要です。
めっきの選定は、コストと性能のバランスを取ることが求められます。
専門家のアドバイスを参考にしつつ、自社製品の特性を踏まえた判断が必要でしょう。
めっきの基礎知識を習得し、適材適所の選択を心がけることで、製品の付加価値を最大限に高めていきましょう。
藤間精練株式会社では、カチオン電着塗装・無電解ニッケルめっきをはじめ、当社独自の処理技術「レゾナコート」などの技術を持っております。
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